LINEで完結!業務効率化システムを目指して
民泊などの宿泊施設を運営するホストにとって、ゲストからの問い合わせ対応や予約の管理、チェックイン前の案内といったやり取りは非常に手間がかかります。

特にリピーターを獲得するためには、ゲストが使い慣れたツールでスムーズに連絡できる仕組みが欠かせません。そこで今回、日本で最も普及しているメッセージアプリ「LINE」を窓口とした宿泊施設の業務効率化アプリケーションを開発しました。

このシステムは、ゲストへの定期的な案内から予約の確定通知までをLINE上で一貫して管理できるのが特徴です。
しかし、本格的なシステムを構築しようとすると、サーバー費用や運用コストが課題になります。

そこで本アプリ開発では、ランニングコストを極限まで抑えつつ高い柔軟性を持つ「完全サーバーレスアーキテクチャ」を採用しました。
本記事では、その具体的な技術スタックと実装の裏側を解説します。
システム構成:Vercel × GASのサーバーレスアーキテクチャ
本システムは、フロントエンドとバックエンドを分離した
3層構造のサーバーレス構成を採用しています。
フロントエンドは、VercelにデプロイされたHTML5/CSS3/JavaScriptで構成し、LINE内のブラウザで軽快に動作します。
一方、バックエンドにはGoogle Apps Script(GAS)を採用し、APIサーバーとして稼働させています。
LINE Messaging APIからのWebhookをGASで受信し、イベントを処理します。
データの保存先(データベース)にはGoogleスプレッドシートを採用しており、ゲストの問い合わせ履歴や予約データ、さらにはシステムの設定値(一泊単価やメッセージのテンプレート)までを管理しています。

GASはGoogle Workspaceとの親和性が非常に高いため、API構築やデータベース操作をインフラ管理ゼロで実現できるのが最大のメリットです。
認証と権限:LIFFを活用したUIの出し分け
本システムの面白い工夫の一つが、LINE Login(LIFF)を活用した「管理者とゲストの画面出し分け」です。

①Vercel上の予約カレンダー画面にアクセスした際、LIFFを通じてユーザーのLINE User IDを取得します。
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②このIDをGASのAPIに送信し、スプレッドシートに登録されている「管理者LINE User ID」と一致するかどうかを判定します。
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③管理者のIDと一致した場合にのみ、宿泊料金の変更や案内メッセージの編集ができる「管理者用設定画面」が表示されます。
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一方、一般のゲストが同じURLにアクセスした場合は、設定項目は一切表示されず、予約カレンダーや施設の写真ギャラリーのみが表示される仕組みです。



これにより、複雑な認証システムを独自に構築することなく、安全かつシームレスなアクセス制御を実現しています。
外部連携:iCalとGoogleカレンダーを使った自動同期
複数の予約サイト(OTA)を運営する上で最も恐ろしいのが「ダブルブッキング」です。本システムでは、外部の予約サイトのカレンダーとLINE予約を同期させる仕組みを構築しました。
まず空き状況の取得についてですが、GASが外部予約サイトから提供されるiCal(.ics)形式のURLを読み取り、予約済みのブロック日を抽出してフロントエンドに返します。

一方で、予約サイトから発行されるiCal URLの多くは読み取り専用であるため、システムから直接予約を書き込むことはできません。これを解決するため、LINEからの予約が確定した瞬間にGASが自動でGoogleカレンダーに予定を追加するようにしました。
そして、そのGoogleカレンダーのiCal URLを外部予約サイト側にインポートさせることで、サイト側が定期的に読み込みを行い、自動で該当期間がブロックされるという連携フローを実現しています。
時間駆動トリガーとGoogle Workspace連携
最後に、GASの強力な「時間駆動トリガー」を利用した業務の自動化について紹介します。

システムは毎日決まった時間にバッチ処理を実行し、スプレッドシートの予約データを参照します。
そして、「チェックイン1週間前」や「当日の昼頃」といった条件に合致するゲストに対し、施設の場所や玄関ドアの開け方動画などをLINEのプッシュメッセージで自動送信します。

さらに、月が締まったタイミングでその月の確定予約を集計し、売上や清掃代をまとめたPDFをGASで自動生成してGoogle Driveに保存する機能も備えています。

このようなGoogleのエコシステム(スプレッドシート・Drive・GAS)をフル活用することで、開発コストを抑えながらも、ホストの事務作業を劇的に減らす実用的なシステムが完成しました。
こんなアプリを作成してほしい。
作成方法を学びたい方はお気軽にメッセージくださいね♪
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運用コストを抑えたシステムつくりのご相談お待ちしております。

